システム運用ワンストップサービスの選び方|導入時のポイントも解説

システム監視、インシデント発生時のアラート発報、メンテナンス、セキュリティ対策など、システム運用管理の負担を軽減するワンストップサービスの適切な選び方についてご紹介します。導入時のポイントや注意点なども合わせて解説します。
目次
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01.システム運用ワンストップサービスとは
定義と概要
システム運用ワンストップサービスとは、企業がシステム運用に関する全ての業務を一括してサポートするサービスです。
これには、システム監視、インシデント発生時のアラート発報、メンテナンス、セキュリティ対策などが含まれます。このサービスを利用する事で、企業はこうした運用管理の負担から解放され、より戦略的な業務に集中することができます。
主に、企業の拠点にシステム運用のエンジニアやオペレータが常駐して業務を遂行するサービスと、システム運用企業にアウトソーシングして、運用企業の拠点からリモートで提供するサービスがあります。
主なサービス内容
(1)システム運用設計
効率的かつ効果的なシステム運用・管理を実現するための運用設計を行います。ビジネス要件を基に、企業の業務プロセスに即して、運用ルール、運用方法、障害時の対応、緊急連絡先などを策定していきます。
(2)システム監視
24時間365日、システムの状態をリアルタイムで監視し、異常が発生した場合には即座にアラートを検知します。
(3)メンテナンス
定期的なハードウェアの保守、ソフトウェアのアップデート、セキュリティパッチの適用などを行います。これにより、システムの安定性とセキュリティを維持します。
(4)セキュリティ対策
セキュリティホールの検出と修正、ウイルス対策、ファイアウォール管理などを実施し、データとシステムの安全を守ります。ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27017などの国際標準に準拠したセキュリティ対策を実施します。
(5)トラブルシューティング
システム障害が発生した場合、専門の技術者が迅速に原因を特定し、適切な対応を行います。リモート対応やオンサイト対応を組み合わせることで、ダウンタイムを最小限に抑えます。
(6)バックアップとリカバリ
定期的なデータバックアップを行い、障害発生時には迅速にデータをリカバリします。
02.システム運用ワンストップサービスのメリット
コスト削減
システム運用を外部にアウトソーシングすることで、自社での運用人材育成や設備投資に伴うコストを削減できます。例えば、サーバーの監視やメンテナンスを専門企業に任せることで、システム運用の維持費を効果的に削減することが期待できます。
業務効率の向上
専門の運用チームがシステム管理を担当することで、社内のIT部門は戦略的な業務に集中できます。これにより、企業全体の業務効率が向上します。例えば、IT部門が新しいビジネスプロジェクトに集中できるようになるため、企業の競争力も高まると言えます。
専門知識の提供
高度な技術と豊富な経験を持つ専門家がシステム運用をサポートするため、最新の技術やベストプラクティスを活用した高品質なサービスを受けられます。これにより、社内では対応が難しい複雑な問題や最新の技術動向にも迅速に対応できるようになります。例えば、セキュリティの強化やシステムパフォーマンスの最適化など、専門知識を必要とする領域での品質向上が期待できます。
リスク管理とセキュリティ
外部の専門企業によるセキュリティ対策とリスク管理により、企業のデータとシステムは高い水準で保護されます。セキュリティインシデント発生時には迅速に対応し、データ漏洩やシステムダウンなどのリスクを最小限に抑えることができます。また、最新のセキュリティ技術やベストプラクティスを取り入れることで、常に安全性を維持します。
03.システム運用ワンストップサービスの選び方
対応リソースや予算などの背景から企業によって適したサービスは異なるものの、失敗しないシステム運用ワンストップサービスの選び方としては、主に以下の4つの観点で確認するとよいでしょう。
企業の実績と評価
システム運用サービス提供企業の過去の導入実績や顧客評価を確認することで、その企業の信頼性やサービス品質を把握できます。長年の運用実績や業界での評価、どのようなセキュリティ認証を取得しているかを確認し、信頼性の高い企業を選定する事がポイントとなります。リモートでシステム運用サービスを提供する企業の場合、その拠点であるデータセンターの安全対策基準にも注視する必要があります。
サービス提供内容
包括的且つカスタマイズ可能なサービスが提供されているかを確認しましょう。特に、自社のニーズに合わせた柔軟な対応が可能かどうか、という点が重要です。最新の技術を駆使し、常に最適なソリューションを提供している企業の選定がポイントとなります。また、将来的なスケーラビリティも重要です。事業拡大や変化に対応できる拡張性があるか、新しい技術やサービスに迅速に対応できるかを確認することは、長期的な視点での選定に役立ちます。
サポート体制
24時間365日のサポート体制が整っているか、専任のサポートチームがいるかを確認しましょう。緊急時に迅速に対応できる体制が整っていることが重要です。サポートの質が高い企業は、迅速かつ適切な対応でシステムダウンタイムを最小限に抑えます。
コストパフォーマンス
初期費用とランニングコストのバランスを検討し、コストに見合った価値を提供している企業を選びましょう。例えば、クラウドのシステム監視を業務要件にする企業の場合、クラウド特有の監視項目に強みがあるシステム運用サービスを選定し、適切な価格で提供されるかどうかの評価が必要です。
04.システム運用ワンストップサービス導入時の注意点
導入前準備
まず、自社のニーズを明確にし、必要なサービス内容を定義することが重要です。ベンダーとの要件定義を行い、サービスのカスタマイズ要件を明確にしましょう。これにより、導入後のギャップを最小限に抑えることができます。
移行プロセス
システムの移行計画を策定し、リスク管理を徹底します。移行中のダウンタイムを最小限に抑えるために、詳細なテストと検証を行います。移行後のパフォーマンスを確保するために、必要な調整を実施します。
データ保護とプライバシー
データの取り扱い方法や保管方法について詳細に確認し、プライバシーポリシーが適切に設定されているかにも留意が必要です。データ暗号化やアクセス制御が適切に行われていることを確認し、データ漏洩のリスクを最小限に抑えます。
05.システム運用開始後のポイント
継続的なモニタリング
定期的なサービスレビューを行い、運用状況を評価します。パフォーマンスの評価と改善を継続的に行い、常に最適な運用状態を維持します。これにより、システムの安定性と効率性を確保します。
システム運用サービス企業とのコミュニケーション
定期的なミーティングを開催し、運用状況や問題点を共有します。フィードバックと改善要求を積極的に行い、サービスの品質向上を図ります。システム運用サービス企業との密なコミュニケーションは、迅速な問題解決とサービス向上に繋がります。
このコラムを通じて、システム運用のワンストップサービスを導入する際の重要なポイントとメリットについて理解を深めていただけたと思います。
業務システムのクラウド化や、生活者向けのSaaSサービスが拡大する社会において、システムの安定稼働は企業の信頼性と成長に直結します。
その一方でシステム運用はますます複雑化し、作業負荷も増大しています。ワンストップサービスを活用することで、自社のシステム運用を効率化し、業務負担を軽減するだけでなく、競争力を一層高めることができます。
当社「リモート監視・運用サービス」は、50年にわたるシステム運用実績に裏付けられた、信頼性の高い、高品質な監視・運用サービスが特長です。
お客さまにシステム運用のワンストップサービスをご提供します。このサービスの導入により、お客さまにとって効率的なシステム運用が実現し、企業のビジネスに貢献します。
リモート監視・運用サービスの特長
- 24時間365日、国内最高水準の高いセキュリティを誇るデータセンター拠点から監視・運用サービスを提供
- 50年にわたるシステム運用実績に裏付けられた、ITエンジニアとオペレータによる高品質のサービスを提供
- クラウドファーストの時代に対応。お客さまのニーズに応じた、最適な監視項目の提案など、高い柔軟性を有しています。

執筆者
TOPPANエッジITソリューション(株) コラム編集室
システム監視・運用、インフラ構築をはじめとした、IT専門企業のTOPPANエッジITソリューションでは、主にシステム運用、基盤構築に関するコラムを発信し、企業にお役立ていただきます。システムのクラウド化、運用のアウトソーシングなどの、ビジネスシーンで活用していいただければ幸いです。