クラウドシステム運用のポイントは?ビジネスを成長させるための要点

システム監視・運用

ビジネスを成長させるためのクラウドシステム運用は、効果的・効率的な活動が重要になり、いくつかのポイントがあります。本コラムでは、クラウドシステム運用におけるポイントをメインテーマに、その詳細をご紹介します。

01.クラウドシステム運用とは?

クラウドシステム運用の概要

クラウドシステムとは、インターネットを通じてコンピューティングリソースを提供するサービスの総称で、このシステムを運用することが「クラウドシステム運用」です。ユーザーは物理的なサーバーやストレージを自前で用意する必要がなく、必要に応じてリソースを柔軟に利用できるメリットがあります。

クラウドの種類

クラウドは大きく分けると以下の3種類があります。

(1)パブリッククラウド

インターネットを通じて一般公開されているクラウドサービスで、企業や個人が誰でも利用できるものです。

(2)プライベートクラウド(ホステッド型)

特定の企業や組織のために専用に提供されるクラウド環境で、外部のデータセンターでホスティングされます。

(3)プライベートクラウド(オンプレミス型)

企業が自社のデータセンター内でクラウド環境を構築し、管理するモデルです。

本記事では、種類を問わず共通のクラウドシステム運用におけるポイントを解説します。

02.自動化ツールによるコスト削減と効率化

自動化ツールによるコスト削減と効率化のポイントは、以下になります。
まず、クラウド環境におけるインフラストラクチャの構築や管理作業を自動化することで、人的エラーを減らし、作業の効率化を図ることができます。例えば、インフラのプロビジョニング、スケーリング、監視などを自動化すると、運用コストの削減につながります。
また、業務プロセスやタスクの自動化により、作業の効率化を図ることができます。例えば、タスクの 自動割り当て、ワークフローの自動化、定型作業の自動化などを実施することで、生産性が向上します。
脆弱性のスキャンや、ログの監視など、セキュリティの機能を自動化することで、セキュリティリスクを低減し、コンプライアンスを確保することができます。
以上のように、クラウドシステムの運用においては、自動化ツールの導入と適切な設定が重要と言えます。

03.定期的なパフォーマンスレビューと最適化

システム運用時、定期的なパフォーマンスレビューを行うことで、システムの稼働状況やパフォーマンスを評価し、問題点や改善点を把握することができます。パフォーマンスレビューでは、以下の4点に注目します。

  • システムの負荷状況や応答時間
  • リソースの利用状況(CPU、メモリ、ストレージなど)
  • エラーログやアラートの確認
  • ユーザからのフィードバックや要望

パフォーマンスレビューの結果をもとに、システムの最適化を行います。最適化の主なポイントは以下になります。
不要なリソースの削減や必要なリソースの増強など、リソースの最適な利用の検討を行います。システムの設定や構成をチューニングして、パフォーマンスを向上させ、さらにセキュリティポリシーの見直しや脆弱性の修正など、セキュリティに関する最適化も実施します。コストについても、クラウドリソースの適切な利用方法を見直し、最適化が必要です。
定期的なパフォーマンスレビューと最適化を行うことで、システムの安定性と効率性を向上させることができます。また、ユーザ満足度の向上やコスト削減なども実現できるため、運用において重要な取り組みと言えます。

定期的なパフォーマンスレビューと最適化

04.セキュリティ対策とコンプライアンス

効率的なクラウドシステム運用において、セキュリティ対策とコンプライアンスは非常に重要なポイントです。以下に詳細を示します。

(1)セキュリティ対策

ユーザやシステムへのアクセス権限を適切に管理し、不正アクセスを防止します。また、データの暗号化を行う事で、データの機密性を保護します。システムやアプリケーションの脆弱性の、定期的なスキャンと修正でセキュリティを強化します。また、万一のセキュリティインシデントに備え、発生時に追跡や分析を行うために、システムのログを適切に管理する事も重要です。

(2)コンプライアンス

クラウドシステムの運用においては、個人情報保護法やGDPRなどの法規制に適合することが求められます。ISO 27001やPCI DSSなどのセキュリティ標準規格に準拠し、適切なセキュリティコントロールが重要です。
クラウドサービスプロバイダーとの契約やサービスレベル契約(SLA)を適切に管理し、サプライヤーにおけるセキュリティ対策やコンプライアンスの遵守を確認します。セキュリティ対策とコンプライアンスは、クラウドシステムの安全な運用と信頼性を確保するために欠かせない要素です。
適切なセキュリティ対策とコンプライアンスの導入により、データ漏洩やセキュリティインシデントのリスクを低減し、法的なリスクを回避することができます。

05.代表的なクラウド運用の成功事例

Netflixは、クラウドを活用して急速な成長を遂げた事例です。クラウドを利用することで、柔軟なスケーラビリティや高い可用性を実現し、世界中でのサービス提供を可能にしました。また、Airbnbは、クラウドを活用して急成長し、世界中に拡大した事例です。クラウドを活用することで、リソースの効率的な利用や迅速なサービス展開が可能となりました。

06.クラウド運用成功のベストプラクティス

クラウドファースト戦略を指向し実践する事が成功への近道と言えます。クラウドネイティブなアプリケーションやサービスの開発を行うことで、スケーラビリティや柔軟性を実現します。
DevOpsの導入も重要となります。 開発チームと運用チームの連携を強化し、自動化や継続的な改善を実現することで、迅速なサービス提供や品質向上を図ります。
また、コンテナ技術を活用することで、アプリケーションの環境構築やデプロイメントを効率化し、スケーラビリティやポータビリティを向上させます。
これらの成功事例やベストプラクティスを参考に、クラウドシステム運用においてビジネス成長を加速・成功させるための取り組みを行うことが重要です。

まとめ.クラウドシステム運用でビジネス成長を加速・成功するための要因と、得られる成果

成功へのポイントは、クラウドシステムを導入する前に、ビジネス目標や要件を明確にし、それに基づいた戦略を策定することです。その上で、ビジネスに最適なクラウドプロバイダーを選定し、信頼性やセキュリティなどの観点から適切な選択をすることが、成功の鍵となります。
クラウドシステムの運用に必要なリソース(人員、予算、時間など)を適切に割り当て、なおかつ、セキュリティ対策を徹底し、データ漏洩やサイバー攻撃などのリスクを最小限に抑えることが重要です。
これらの実践で得られる成果としては、インフラやシステムの運用コストを削減、柔軟性と拡張性向上、生産性向 上、サービスの競争力の強化が挙げられます。
これらの成功要因と、得られる成果を念頭に置く事で、クラウドシステム運用を通じたビジネス成長を加速・成功させることができます。 当社「リモート監視・運用サービス」は、クラウドに特化したモニタリングに特長があります。
当社にクラウドシステムの監視・運用をアウトソーシングしていていただくことで、お客さまにとって、運用に必要なリソースの最適化に貢献することができます。

定期的なパフォーマンスレビューと最適化

  • 24時間365日、国内最高水準の高いセキュリティを誇るデータセンター拠点から監視・運用サービスを提供
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  • クラウドファーストの時代に対応。お客さまのニーズに応じた、最適な監視項目の提案など、高い柔軟性を有しています。
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執筆者

TOPPANエッジITソリューション(株) コラム編集室

システム監視・運用、インフラ構築をはじめとした、IT専門企業のTOPPANエッジITソリューションでは、主にシステム運用、基盤構築に関するコラムを発信し、企業にお役立ていただきます。システムのクラウド化、運用のアウトソーシングなどの、ビジネスシーンで活用していいただければ幸いです。